沖縄の長寿の秘密

BBCのデビッド・ロブソン氏が面白い記事を書いていました。

炭水化物が沖縄人の長寿の秘密か、というタイトルです。

世界中でローカーボダイエットが流行しているけれど、健康長寿においては実は逆で、100歳超人口比率が高い沖縄の人たちがそれを説明しているという。
具体的には沖縄県民は炭水化物とタンパク質をおよそ10:1の比率でとっており、歴史的にもサツマイモ主体で野菜果物も豊富にとってきた食生活が長寿に大きな影響を与えたといいます。

農漁業による肉体活動量の多さ、孤独になることの少なさ、喫煙率の低さ、なども沖縄の方々の長寿の要素に挙げていますが、最大要因としてロブソン氏は前段の食生活を指摘しています。

水広場的に補足するとしたら、やはり「水」。沖縄県は石灰質の地域が多く、場所にもよりますが天然水に含まれるカルシウムは比較的多めです。カルシウムが不足する生活を送ると血管につまりができやすくなることは藤田紘一郎氏の著書にもある「カルシウムパラドックス」のみならず世界的にも指摘されていますが、そうであるならば沖縄の中硬水が血管系疾患発症リスクを低水準にしている可能性があります。

例えば、「やんばる地域」の大宜味村(おおぎみそん)では、長寿の里と宣言されたとおり、多くの方が元気に長寿を謳歌しており、当地の水は中硬水です(下記画像例は硬度でいうと200mg/L超の中硬水ミネラルウォーター)。

イギリスの軟水硬水&Beyond

ここ数年イギリスでは硬水の欠点が指摘されることが多い。

水道管にスケールが溜まったり、シャワーで肌や髪にダメージを与えるという例が様々な媒体で紹介されています。

下図のとおり、イングランドは硬水優勢の土地柄、ウェ―ルズ、スコットランド、北アイルランドは柔らかめ。

一部メディアでは硬水の健康的価値、例えば血管系疾患予防のはたらきなどもしっかり指摘されており、軟水派一色でもないようです。

上記は一般的な水道水の例。

名水の世界においては、硬度は指標の一つにすぎません。

イングランドにはバクストンやヒルドンといった名水銘柄があり、ウェールズにはティナント、ハイランドには勿論ハイランドスプリング。これらは比較的最近のもの、もっと歴史のある正統派の名水も少なくありません。

名水を論じる際、硬軟だけで比較評論する愚は、それらの永い歴史が育んだ文化に触れたときに霧消することでしょう。(画像:aquacure)

有機塩素化合物と有機フッ素化合物

水の研究期間としては日本一ではないかと思われる先生と久しぶりにお会いしました。

懸念されていたのが、有機塩素化合物や有機フッ素化合物。体によくありません。

戦後から高度成長期の日本で洗剤などの有害物質が捨てられ土壌に残ったものがあるとのこと。

風光明媚な山地に見つかったデータもあるとのこと。

ミネラルウォーターにおいては、「殺菌済み」に分類されたものは毎年の検査項目にこれら有害物質の副産物も含まれているので特に心配ありませんが、「無殺菌」に分類されているミネラルウォーターの検査項目数は少なく有機塩素化合物や有機フッ素化合物が原水に混入しているかどうか分かりづらい面があります。勿論入っている可能性はとても低いのですが。

水源の場所がわかれば実態が把握できますので、もし気になる方はお知らせください。

世界一の水道水

自分達の水道水が世界一であると誇る自治体がいかほどあるかは存じませんが、アメリカ・オハイオ州ハミルトンはその例に該当します。

ここでいう基準は味覚。世界一とする根拠は世界で最も参加者が多い水の味覚コンテストで優勝したことです。

アメリカの片田舎で毎年開催されるバークレー・スプリングス・ウォーターテイスティング、そこではミネラルウォーターは勿論、自治体の水道水も多数参戦し、味わいを競います。

ジャッジはアメリカ人、そして味覚という主観と個人差に大差あるものが対象であることから、勝った水が誰にも美味しいとか負けた水が不味いとかを意味せず、セレモニー的、フェスタ的に見るとより楽しめるかもしれません。

水道水部門で優勝したハミルトンの皆さんが自分たちの水は世界一と自慢してもそれは否定できず、逆に受賞を逃した水道水もアメリカのバークレーの審査員の口には必ずしも合わなかったともいえるかもしれません。

水広場は今年ミネラルウォーター部門で参戦したのですが受賞に至らず来年再チャレンジできればと思います。仮に優勝するようなら、世界一と叫ぶかもしれませんね・・・

水のいらないウォーターサーバー「スタンドアローン再考」

ネットをはじめ、常時つながっているネットワーク全盛時代。

だからこそ、繋がらないこと、スタンドアローンの価値があるはずです。

以前慶応大学で水事業のカンフェレンスに招かれ、私含む3名の事業者が講演したのですが、うち一人の方の事業は空気から水をつくることでした。

年月が経ち、同様の事業を手掛ける会社が何社か出てきました。例えば画像の装置はMizuha社のもので、湿度60%、気温25度で一日16Lの飲料水がつくれるようですが、それが実現できれば面白いことになるでしょう。

まさに水のいらないウォーターサーバー、複数の意味でスタンドアローンです。

水道はネットワークそのもの、定期配送を伴う一般的なウォーターサーバーもロジスティカル・ネットワーク要素大の事業モデル、そしてペットボトル等の容器飲料も製造工場と輸送網やリサイクルシステムあってなんぼという決してスタンドアローンではない事業形態です。

そんな中で出てきた空気から水をつくるウォーターサーバー、繋がっていない自主独立性にその大きな価値があります。弊社も以前スタンドアローンそのものとなる個人向け自家水道システムの開発を試みました。

公共インフラとして水道は欠かせませんが、未曾有の人口減の中で大規模設備更新が必須なネットワーク型の水道のコストは上がります。そしてネットワーク型の災害時の脆弱性は言うまでもありません。

日本に限らず、スタンドアローン型の価値が高まる時は今だと思いますが、空気から水をつくるような画期的イノベーションは頼もしい限りです。

水道界の逆転満塁ホームラン

水の事業、特に公共事業たる水道事業本体は将来損益の予測が比較的容易で収益のブレが少ない、金融資産でいうところの債券(Fixed Income)型であり、成長期待で価格がつり上がる株式(Equity)の華やかな世界とは一線を画しています。

そんな中、株価が1週間で3倍にも膨れ上がった水道関連の会社が日本にあります。

埼玉県久喜市にある日本鋳鉄管、長い歴史を持つ東証一部上場企業ですが、最近の業況が芳しくなく、時価総額もこの5月末には東証一部基準の20億円を下回りました。

6月26日、同社が開発した水道管耐震化を劇的に容易にする新商品「オセール」(下図参照、同社発表より)が川崎市で採用されたニュースの途端に株価は急上昇、今の時価総額は約60億円となっています。

水道事業そのものはFixed Income型としても、水道には多々の課題があること、また水道が無くなることはないこと、の2点からも周辺関連ビジネスには成長余地があることがこれまでも示唆されていたわけですが、今回同社のイノベーションがまさにそれを証明した格好です。

地味な水道というものが投資家達に輝いて映るのは嬉しいことです。

投資できる金銭余力のある方には、水道界にもこのような宝がまだまだあることを是非知って頂きたいと思います。

自分さえよければ

京都大学名誉教授の佐伯啓思氏は今の経済界に漂っている「自分だけ儲かればいい」という風潮を批判しました。僭越ながら全く同感です。

「自分さえよければ」という心情は程度の差こそあれ誰にも存在するものと思われ、自分も以前そんな部分が結構あったと恥じています。

「自分さえよければ」という風潮は国、人種、民族、産業、企業など、ありとあらゆる単位でみられ、勿論個人レベルでも。

サミュエル・ハンティングトンの文明論にもあるように、私の権利より公の安定を尊重してきた東アジアにおいては「自分さえよければ」というのは不道徳そのものでありながら、日本における自己中心主義は単純なものからディスガイズされ一見わかりにくいものまで多様に蔓延しつつあるように見えます。

全ての人間は私でありながら公に属しているわけですが、後者は忘却の彼方に追いやられ、私たち一人ひとりが社会の一部であり(先人たちを含めた)現社会に生かされていることを忘れたかのようです。

私的な主義主張活動そのものは全く構いませんが、それが社会全体でプラスになるのか? 迷惑をかける人はいないのか?

不特定多数の株主に所有され4半期報告も義務づけられている上場企業は構造的に社会(マクロ)利益の最大化を目指せないミクロ利益極大装置という面があります。

平成の日本では労働派遣法により企業が正社員を減らし、産業界全体で巨額の利益を計上した一方で非正規社員の多くが結婚できず少子化が進行、国の根幹たる人口構造の弱体化を招きました。

その活動が社会全体でマイナスとなるケースは営利組織に限りません。

慈善団体を標榜するNPOやNGO。

ある特定課題があったとして、当該課題を本当に解決するというより、その過程における私的な自己実現、尊敬・社会的認知、それらによる経済力を含めた多様な私力の獲得が真の目的である例がいかに多いか、私たちは薄々気づいているのではないでしょうか?

環境NPOが最近多く見られますが、実際のところは?

例を探してみたところ、CO2やプラスチック廃棄物削減のためペットボトル水の消費を減らし水道水の活用を増やす活動をしている世界的NGOがありました。マイボトルを持つ歩行者が店頭などで水道を無料で使えるという仕組みです。

水を通じて健康とQOLをもたらすのが弊社のMission Statementですので、水を飲むことを促すアイデアには共感します。

他方、この活動は近視眼的に見え、偽善の匂いが漂っています。

簡単に検証してみましょう。

この活動が正当化されるには、つまり一般大衆から幅広く寄付金を集める資格を得るためには、当該事業モデルに少なくとも3条件が必要なはずです。

1.当該事業がペットボトルのミネラルウォーターの流通量を減らすこと

2.ペットボトルのミネラルウォーター流通量が減ることでペットボトル廃棄物が減ること

3.ペットボトルのミネラルウォーター流通量を減らすことによりCO2が削減されること

*上記各項は当該活動が社会に対しNETとしての不利益をもたらさないことが大前提です。

1.条件を満たしていると思えません。ペットボトル水の代替とするには店頭給水スポットの密度を高め広域性を確保する必要がありますが、実現性が疑問です。また仮に実現した暁にはそれだけの機械製造運搬その他活動により3.にも関連するCO2排出が増えた事を同時に意味することになります。

外出時にマイボトルを持参する人なら、自宅の水道水を氷なども一緒に入れて出発することが多いと思われますが、その場合は店頭給水スポットでの給水需要は持参ボトルの水が空になってからしか生じません。

また、マイボトル給水利用者はそもそもペット水を飲んでない人が多いであろうことは仮定としても的外れではありません。

2.ペットボトルのミネラルウォーターの流通量減少とペットボトル全体の廃棄物減少との関連が明らかでありません。ペットボトルの廃棄物は国内でリサイクルの外側で不正に捨てられるか外国から流れてくるかで生まれるとして、後者は別課題にてここで触れませんが、リサイクルシステムの外側でペットボトルを捨てる不適行為が廃棄物の要因であれば、それら行為を防ぐ活動の方がずっと効果的です。

前述のとおりミネラルウォーターはペットボトル製品の一部に過ぎず、それだけが減ったところで解決しないのがゴミ問題であり、間接的に廃棄物のごみが減る可能性は勿論あれど、ごみ削減を目指し街角で水道給水させる活動はまどろこしく非効率な事業です。

3.仮にマイボトルの店頭給水によりペットボトルのミネラルウォーター流通量が減ったとしましょう。この運動が大成功したとして、例えば全体の半分ものペット・ミネラルウォーター流通量が減少したと仮に想定しても、それによりどれだけのCO2が削減されるのでしょう。削減されないと言っているわけではありません。水以外の全てのペットボトルを多数の国で全廃するぐらいのスケールでないと有意義な地球大気への好影響にはならないと推測します。

また、ペットボトルを減らしたとしてもガラス、紙、その他の容器に代わるとしたら結局それら生産で新たなCO2が排出されることを忘れてはいけません。

更に、あるデータによれば、金属製のマイボトルの生産によるCO2排出を考慮に入れればマイボトルを10杯分ほど使用しないとペットボトルCO2削減効果が出ません。つまり、6、7回金属製マイボトル使うだけなら逆にCO2を増やしてしまうのです。

他方、ペットボトルのミネラルウォーターの流通量を減らすことによるマイナス面としては、当該産業における生産・利益の減少による(現状ですら低位の)賃金の更なる下降圧力、失業、産業技術力衰退、消費者の選択肢減少、納税額減少、などが挙げられます。

そうなった場合のこれら社会的マイナスは比較的確実で、すなわち、この運動でCO2やゴミが減らなくても片や給与は下がり失業は増え景気は更に悪化することは容易に想像がつきます。

すなわち、本当に正直で聡明な人間ならもっとストレートな方法でCO2やごみの削減に挑むでしょう。そしてその活動資金は自己資金で始めるのが筋です。

おそらくマスメディアはこのような運動を好意的にとり上げるでしょう。当該活動者の自己実現たる私的目的があるとすれば、それら報道により彼らは一定の目的を達することになるわけです。ゴミCO2削減が未達でも。

慈善活動家と称する人たちでも「自分さえよければ」に分類される人たちが混じっていることが多々あります。

普遍的かつ有限な「水」は、社会的活動にはもってこいの素材であり、それゆえに偽善がはびこりやすい。

水に生きる専門家としては、真に意味ある活動に賛同していきます。

カルフォルニアの水道事情


カルフォルニア州の水道に関する記事がありました。
州内の12の郡で1割以上の住民が汚染された水道水を使っているとのこと。
農場からの(亜)硝酸性窒素と天然由来のヒ素が2大汚染物。

ヒ素

アメリカで販売されている2種類のミネラルウォーターから基準値を超えるヒ素が検出されました。健康被害の情報は入っていません。

https://www.ceh.org/news-events/press-releases/content/new-testing-finds-high-levels-arsenic-bottled-water-owned-whole-foods-dr-pepper/

トレッキングスパ

登山ブームです。
とはいえ、本格登山には備えとそれなりに体力が必要です。
だから高尾山などは私などにも好都合。
登山といえば、最近個人的に注目しているのが「トレッキングスパ」。

トレッキングスパとしては、まずニセコの五色温泉がお薦めです。https://www.mizuhiroba.jp/waterdb/detail/o6.html