デフレ経済が悪い訳、続き

昨日、水広場ヤフー店で買ったという人から変な電話がありました。

「おたくのエビアン、正規品と書いてあるけど違うから返金しろ。出るとこ出てもいいんだぜ」

当方困惑、いきなり脅され心穏やかで済みません。当方が販売しているのはダノン社と日本で唯一正規輸入契約を結んでいる伊藤園・伊藤忠ミネラルウォーターズ(株)が輸入販売している正真正銘の正規輸入品ですから。

日本は今インフレだという指摘はCPI指標では正しく、全体経済ではミスリーディング。当方がより重視するのは流通全体を把握するGDPデフレータ、日本経済は輸入原価の高騰分を製造流通過程で転嫁しきれておらず、つまり中小零細の多くは粗利が減っているわけです。その意味においてデフレ基調は変わっていません。

デフレは中小企業の賃金を抑え、売る側の労働意欲を削ぎ、それが長く続いたことで「カネ払う方が偉い」というマインドが固定化しました。

それに輪をかけたのが匿名で自分はリスクを負わずに好き勝手に店の信用を落とせる商品レビュー制度。店舗側がそれら不当レビューを防ぐ事はできない不公平な制度です。価格が自然と下がる圧力が常態化します。

健全な経済下であれば前段のような非常識な脅しは非難の対象ですが、デフレ下ではそうではないことが多い。他の例を挙げれば昨年に発生したテレビタレントが紹介したある商品の前例無き大量注文。岩手県の小さな醸造元に通常なら数年分の注文が一晩で入ってしまい、瓶メーカーで減産中でもあり製造対応に醸造元では半年以上かかるとの事に。それを千名単位に膨らんだ当店注文者の方々に伝えたら、「言い訳をいうな。すぐに届けろ」「説明が小学生レベル」等の罵詈雑言と共に悪辣な点数のレビューを書かれました。私自身がそれらクレームに対応しましたが、流石に堪忍袋の緒が切れた事もありました。その醸造元では過去にテレビ放映が何度かあっても一度も注文増を経験していなかったため、前回も在庫リスクを考えれば大企業のように事前に大量に準備することなど到底できません。

「カネを払うほうが偉い」というマインドの構造化、これもデフレ経済が好ましくないという理由の一つです。

自分の会社の売上を考えればこのような事を書くことはマイナスでしょう。しかし当方は価格以上の専門知識や商品性の価値を提供しているつもりですし、また当方の視点はもっと大きな社会的な範疇にあります。従って、おそらく日本の数百万もの売り手達が思いつつ言えない事を上記のとおり代弁いたします。

日本が韓国と和解できない理由?

コルビー大学(Colby College)のウォルター・ハッチ教授の新書。

同じ敗戦国である日本とドイツ。ドイツは侵略した欧州各国と和解できたのに日本が今だにできていない理由として、日本の謝罪が足りないからだという従前の潮流を否定し、構造的観点からアメリカに責任の一端があると鋭く指摘している。

戦後の安全保障体制においてNATOによる水平的かつマルチな共同防衛体制に組み込まれたのがドイツ、一方の東アジアのアメリカ同盟国はそれぞれがアメリカとバイで構成された為、日本と韓国は目的共有ができなかった。

生意気に水広場的書評を言わせてもらえば2点ほど。

1.「ドイツは侵略した国々と和解し日本は違う」という前提は雑かもしれない。ドイツはナチスに責任を被せる事で国・国民の責任を逃れた真実は周知、その証拠にポーランドなどは現在も巨額な賠償金を求めている。一方、日本が侵略したとされる複数の国地域が親日。

2.アメリカとのバイラテラル関係が並走する構造が影響した点に同意、加えるならば、先の大戦の遥か前から東アジアは隣国を横に見ず常に縦に捉える伝統(?)がある事。隣国をカズン(従妹)として横に見る西欧と違い、自分より上か下に見る傾向;中国は他の全ての国を下に見るし、韓国も歴史的に自分達が日本より上だったはずなのにという悔しさからか慰安婦の言いがかりを恥じず、また近代日本は中国と韓国を経済的豊かさで見下してきた。

いずれにしろアメリカのアジアでの立ち位置が変わらない限り本件の和解という目的の達成は困難であろうと思う次第です。

政治的立場は横に置きこの書評で言いたいのは、視点を俯瞰的にする意義、です。

ついでにテーマ逸脱しますが、GHQが去って80年も90年もアメリカ保護領体制が続くようであれば、客観的に見れば極めて現実的なシナリオたる彼らの東アジア撤退に伴い、日本は中国共産党から核の威嚇を受け一気に彼らの支配下に入らざるを得なくなると予想します。その流れは当方尊敬するハンティントンの指摘でもあります。

そうなったら、吉田茂という人はかつてあった日本という国を滅ぼした他者依存体制を作った人物として後世に刻まれるものと思われます。

そのような事態を現在の世界において現実的に防ぐには自主防衛しかなく、また、主権(sovereignty)という言葉が歪められて植え付けられ、そもそもその成立に正統性が欠如した現「占領憲法」の廃絶が当然と考えるのが真っ当な倫理規範だと思っています。考えれば考える程、私的には不文憲法が最適という結論になります。

https://www.press.umich.edu//11683923



最近の会話から

大手飲料メーカー担当者:
秋の値上げ後、大手量販店ではまだ値下げになっていません。
「それは良かった。ボーナスも良かったって?」
はい、良かったです。
「良かったですね。大手メーカー全部値下げしていないのですか?」
キリンさんが生茶の値段下げました。下げて数量も下がったらしく・・

極悪人を持ちあげるエリート達

今朝Foreign Affairsの記事を見て仰天。この人物の極悪ぶりをどの位の日本人が知っているのでしょう。

クリントン政権などで日本を担当したジョセフ・ナイ。

先日の日本でのシンポジウムで、中国が台湾に侵攻したら日本は絶対に守るという意思表明を今からしておく事が重要、それが抑止力になるから、と発言。

その彼が、Foreign Affairsの「中国が台湾を侵攻したらアメリカは守るという姿勢を示すべきか?」との質問に対し、「絶対にそうすべきではない」と回答! 唖然としました。人間の最低限の倫理規範すら持っていないようです。

中国を弱らせるのに日本を使い、自分は強大中国とは絶対に事を構えないというワシントンの本音はこの例からも読めます。クリントンの頃から急速に凋落した日本、この人物がいかに日本にマイナスであったか検証もせず希代の外交官などと持ち上げる日本のメディアにもつける薬はありません。

ナイ氏は人間として不道徳なだけでなく知能も低く、ソフトパワーなどという空論を流し、本当は無能なエリート層、特に日本人に受けたものの、結局世界はナイとは対峙するハンティントンの描いた方向に向かっています。

最近の会話から

大手飲料メーカー営業担当者と

「カインズホームとか大手小売店への値上げ後に販売量が落ち、それで冬のボーナスが増えそうです」

なるほど。(設定販売数量に達して支払う)小売店へのリベート払わずに済むから?

「そうです。今年の販売計画は未達でほぼ確定、リベート不払分を加味すればトータルでプラスですから」

リベートという悪習は飲料セクターのデフレ因子ですね。

「そうだと思います。本当は商品価格だけで勝負すべきだと思います」

全ては粗利なんだよ、stupid。

低賃金が日本経済の最大課題の一つであり、政策担当者達がやっと腰を上げたのは嬉しいのですが、出てきた解決策がリスキリングやら人材流動化やら、大して効果の無い施策に走っており唖然としました。

経営者が売上総利益(粗利)を重視すれば多くの重要課題が解決するという大原則が軽視されています。日本の企業の多くが過少粗利に甘んじているから真っ当な人件費が捻出できないのですから。

過少粗利の主因は安価販売。川上から川下まで適正粗利を確保すれば賃金原資は得られます。(その後の株主等ステークホルダーとの分配論は二次的につき別の機会に)

粗利を増やすには売価を上げればよい、それが何故できない?

政策担当者が指摘していない点として、実は売る側自体が粗利を重視していない事が挙げられます。巷で言われる川上の中小零細企業は弱い立場で値上げできないという側面、それは裏を返せばそれでも存続できるのは賃金の犠牲と潤沢なセーフティネットワークメニューが揃っている事でもあるわけです。

皆、順番を誤っています。まずは適正価格で売る事、それができないのならできる製品サービスをつくる、交渉力を得るために同業と協働ないし一緒になる、それら全部無理なら潔く会社をたたむ。

過当競争であろうが何であろうが、売れるために従業員の給料をケチるという事では本末転倒、経営者失格という事になります。

川上から川下まで粗利を重視すれば必然的に売価を上げざるを得ません。原価を叩いて粗利を確保する事ができませんから。

粗利経営が優れているもう一つの理由は経常利益から純利益までの部分を良い意味で軽視できる事。

経営を苦しくさせる日銀の利上げは絶対反対という専門家?の方達がいますが、中小零細企業には過剰ともいえる制度融資が揃っているし、利上げシナリオを想定していない大企業があれば経営者失格でしょう。そもそも個別融資の金利変更の判断は市中銀行が担います。経営の本質は戦略構築、つまり粗利適正化であり、財務はその次の次ぐらいで丁度良いでしょう。

私は自分の会社も自身も運転資金融資と住宅ローンの債務者という立場ですので金利が上がると勿論負担は増しますが、日本の異常な人為的低金利は自然に反する状態、よって金利が上がることに賛成です。そして弊社は立派な?零細企業です。

パパブッシュがクリントンに負けた時の有名な言葉、「経済なんだよ、stupid」ではありませんが、政策担当者には今の日本では全ての施策につき、それが川上から川下までの「粗利」を適正にするためにプラスになるか否かを第一基準とする事を希望します。

経営者保証の制限

金融庁によれば今後金融機関は企業向け融資の経営者個人保証を求める場合はその具体的な理由を説明する義務を負うとのこと。実質的な個人保証の制限となります。

住友銀行から社会人をスタートし、イギリスの投資銀行でも日本金融セクターの責任者を務めていた当職から見る限り、日本の銀行は本来の銀行機能である企業審査能力が不足、というより無に近いものがあります。不動産担保で貸してきたので審査能力の積み上げが無いのです。

ちなみに投資銀行時代の私は、りそなホールディングスのカード事業の再編を立案してクレディセゾン資本を入れた4社合併の新生りそなカードを設立したり、JCBカードの株主構成変更を考案、実行したり、大手銀行の保険代理店業務に関する助言など、複数のディールを一人で考案、チームを率いて実行した経験があります。大手銀行の経営陣相手に若造ながら偉そうな事を言いつつも、なぜかディールが獲得できておりました。

グローバルウォーターを起業するにあたり当職も融資を得るため金融機関を回りました。電話で断られた事も一度ではありません。東京相和銀行では「新規口座開設ですね、承知しました」と何分か待たされたと思ったら「当方に口座をお持ちでないとお取引はできません」と来た。口座を作りたいのだから口座が無いに決まっているだろうと言いかけたが、新規顧客は不要という殿様商売で成り立っていたという、今から思えばあの頃が恋しく思える程、裏を返せばその後の世の中は悪化したのでしょう。

ちなみに同行については当職投資銀行時代に本部ロンドン同僚バンカーや東京支店会長と一緒に同行頭取と面談した際の「Sword」に関する面白いエピソードがありますが、また後日にでも。

当職の古巣の住友銀行では口座は作れたものの、融資はできない。しかし日本には充実した制度融資があり、私も利用させてもらいました。東京都の信用保証協会による保証という建付けでしたので、だいぶ前の話、上野の保証協会に自転車で訪問し担当者の方と話をしました。投資銀行経験から好奇心で「なぜ日本では個人保証が必要なのですか?」と訊ねたところ、「あんた、自分で保証もできないのか?」とそのおじさんに叱られてしまいました。

それから約20年。ようやく本来の審査のスタート地点に立てる日本の銀行。これ以上悲しむのは不可能かもしれず、素直に喜びます。

クレームからも見えるデフレ

マグネシウム豊富な早池峰霊水のメーカー、佐々長醸造。

その佐々長さんの醤油がアイドル?によりテレビで紹介され、そのファンと思われる多数の新規顧客から通常なら製造対応に年単位かかる規模の大量注文が一晩で入り、当店の楽天支店やヤフー支店もたまたまそれら醤油つゆも取り扱っていたため、一晩で前代未聞の大量注文が入っており驚愕、8月24日から今日まで佐々長さんと相談しながら休む暇なく対応していますが、瓶メーカーで追加製造が難航し、かなりの長期化となっております。

事前に大量準備しておけばよいのに・という声もありそうですが、佐々長さんには過去何回か芸能人によるテレビ放映があったもののその全てで事後注文はほんの数箱程度であったため、小規模企業として資材原料の大量保管スペースは無く、過剰在庫は不景気の中で経営危機にもつながりかねず、今回のテレビでも大量製造の準備はしなかったのは合理的判断であり、当店も事前に在庫を制限する理由がありませんでした。

そこに発生した予期せぬ大量受注。そして山村という大手瓶メーカーの追加製造難。その背景には日本の瓶市場の縮小による供給制限もありましたが、当方への多数の注文者の皆さんには状況を都度正確に報告し、善処尽くしているわけでありますが、そんな報告に対し、当店にこんなメールが入ります・・

「回答になっていませんね。御社の事情は消費者には関係ないこと。こちらは支払いが完了している以上は商品を受け取る権利があります。御社が製造の見通しが付かないのであれば、キャンセルしろとか、数年待てとか要求する前に謝罪の上、即時返金すべきだと思います。それが出来ないのであれば商売を辞められたらよろしいのでは?」

一件丁寧な指摘に見えるようですが、その前からのやりとりを含めその中身としてはクリーピーな内容のクレームに他なりませんでした。

まずは虚偽。上記クレーム客の注文は商品発送前につき当方未請求、勿論支払いは済んでおらず、よって返金はそもそも不可能。支払ったという虚偽を基に居丈高に販売者に返金と謝罪を迫る精神構造が当方は理解不能です。そして事実誤認。当方はお詫びと共に、異例の特殊事情により今回の全てのご注文分の製造には佐々長醸造ではどうして長期間、半年以上かかる可能性がある事、その上でもしキャンセルご希望の場合はお申し付けくださいとハッキリと記載したものが、この人物には当方がキャンセル強要した事となっており、しかも数年待てと当方が言ったという完全な誤認そして自分に都合のよい大曲解。更には謝罪を求め商売を辞めるべきという甚だ失礼かつ的外れな提言がグロテスクな嫌味と共に恥ずかしげもなく明示されたものです。自分に言われたらどう感じるか想像してみてください。

長くなりましたが、当方が一番気になったのは上記人物の低劣な人間性というよりは彼がいう「消費者には関係の無いこと」の部分です。具体的に聞くべく直接当該人物に私が電話して確認しましたが、やはりというか、「客に対してその態度は何だ。客がそう言っているんだから従え」といった感じで終始。

本件では長期化は完全な不可抗力ですが、当方は上記人物を含む全ての注文客の皆さんに何度もお詫びを入れてきました。注文管理の多大な手間や超過的顧客対応により新開発商品営業の時間がなくなった等の機会費用がかさみ、更に事実無根のネガティブレビューなどでおそらく全体で損失取引の可能性が大という状況。相次ぐ不見識な強要や最低限のマナーを守れない顧客からの無理な問い合わせに応じざるを得ず、当方精神的にも疲労困憊です。

上記クレイマーにそのような販売者の事情を想像する能力はありません。金払ったんだから何でも聞け(この人物はそもそも支払い済んでいませんが)。つまりモノ・サービスの提供者よりカネの提供者の方が偉い、つまりカネのほうがモノより価値がある、それがデフレ経済です。それはまさしく潤沢である消費者余剰を当然の事と勘違いしている消費者が蔓延する社会です。

ちなみにこの人物は自分も商売をやっているから教えてやるが、当方の説明が客に対して失礼だと言いました。彼のようなマイオピックな商売人は社会や産業全体を見る事ができず、自分の今の利益しか見えず、付加価値を提供できず、顧客には安値で媚びるしかなく、その結果として彼の顧客たる消費者達に対し悪い意味での誤解を与えている事に気づく事ができません。

平成から今に至る日本では販売者が本来得るべき利益マージンを犠牲に消費者は支払対価以上の便益効用を享受しており、それにより低賃金は固定化し、非婚化と少子化が加速し、この例のように日本が更に不幸になる事が全く想像つかない人達が増えました。それがデフレ社会の一面です。

またこの例はデフレ経済は低質な人間性を晒しだすという意味でも人間社会に好ましくない事を示すものでもあります。

今は物価高とかメディアが騒いでいますが、日本経済は輸入原価高を小売価格に転嫁しきれていないデフレ基調である事は2022年10月末現在も変わりありません。CPIが数パーセント上がったところで全体の粗利つまり給与の原資は減っているのです。

今ほどヴェブレンの主張が正鵠を射えている時は無いのでは?BusinessではなくIndustryが大事だと。本件の例でいえば販売店の中の1社の当社、上記人物にいわせれば当方も佐々長醸造の「客」なので、早くしろと文句言ってればいい事になりますが、勿論当方顧客意識はなく当該産業振興のための参加者ですから、佐々長醸造の課題を共通解決できるか?という事になり、実際に本件では山村以外の瓶調達先を当社で独自に発掘、佐々長さんに提案もしております。

政策金利から

まずは短期金利の話、中央銀行の今の政策金利を比較、図の出所はチャールズ・ビレロ氏。

スイスの政策金利がプラスに転じ、マイナスは日本だけ。インフレ率を引いた実質では先進国軒並みマイナス、プラスなのは中国、サウジ、メキシコ、ブラジルといった比較的元気な国。

政策金利や消費者物価(CPI)水準においてスイスと日本は比較的近いものがあります。

日本のCPIが低い理由には構造要因があり、供給面のそれには川下優勢な流通構造があり、需要面では社会保障不安による慢性的節約が固定化したこと、更に過剰な株主資本主義により賃金に回らず若年層中心に購買力が落ちている事などを私は従来から指摘しており、つまり金融政策などに大して影響を受けないという立場です。

このような構造要因が日本のCPIにのしかかる重い蓋だとすれば、スイスに乗っかかる蓋としての構造的要素はどちらかといえば外的要因、隣国に車で買い物に行ける地理構造によりスイス国内の小売業者は値段を上げるのに慎重のようです。

それに対し日本の場合は日本国内で自分達でどうにかできる部分が大きいという話です。

戦後の日本はGHQ政策もあり、戦後生まれの私達は自由、私・個の権利ばかり助長、健全な社会であれば当然それらに付随される義務感、公・集団人としての自覚に欠ける人間がいまや大半と思われ、経営者は自社の成長だけをひたすら追求した結果、過剰競争の状態をどうすることもできず今に至っています。

それが顕著に目撃できるのが量販小売店やネット(アマゾン)の清涼飲料売り場。メーカーの過当競争をいいことに割引競争を煽り、ただでさえ薄利の商品の小売価格を勝手に下げメーカー新商品のブランド構築を阻む。その結果、食品飲料製造セクターの平均給与は低位に張り付いたまま、当方も当該セクターの人達を知っていますが、結婚したくても給料安くてできないのが実態。

今年の物価高といっても、資源高・円安による原価上昇分は小売価格にまで転嫁できていない、つまり全体の粗利は減っている中では賃上げといっても無理があります。

他方、この秋、遅ればせながらも、コストプッシュながらも、飲料メーカーの卸価格の値上げが相次いでいます。これまで小売店側もそれに応じる形で店頭価格を上げました。一方、現時点で聞くところによるとその結果販売量が落ちているといいます。

ここが経営者の能力が分かれるところ。この先の数か月、販売減などに耐えきれず結局価格を引き下げ、つまり囮廉売並に戻す事に応じるメーカーがいたら、その経営者は少なくとも産業経営の器は無いといえます。伊藤園?、アサヒ?、サッポロ?、キリン?、サントリー?・・・

消費者の方には誤解なきよう、モノが安くなって久しい日本、消費者としての私達は過剰な余剰を享受している一方、労働者としての私達は逆に過少な所得に甘んじ、少子化と世代間不公平が加速しました。今は消費者としての自分達を律し、フェアな価格を支払い、労働の価値をもっと重んじるようになるべきではないでしょうか。



最近の会話

大手飲料メーカー担当者との今日の会話

少し前にカインズホームさんへの納価上げましたが回転していません(=カインズにおける小売販売量が減少しています)。ベルクさんとかへの納価は来週から値上げしますが、どうなるのか。。

販売量が減ると納価下げてくれと言われるのかな?

それもあるかもしれませんが、うち(メーカー側)が(納品数量を上げるために)納価を下げる事があるかもしれません。

そもそも水やお茶が小売店の囮廉売の恰好な素材として実質赤字販売で長期展開されてきたのが問題ですよね。

はい、私も長くやってますが、入社した時より何割も商品価格は落ちました。

長く政府に進言する立場のサントリー社長の責任は重大。雇われ社長の限界というか、産業経営のタマではない事は判明していますね。