河と国

ナイル川が問題になっています。川上のエチオピアのダム建設にエジプトが抗議、中間のスーダンは様子見といったところか。

経済的に発電事業はエチオピアにとり重要、一方の川下エジプトは川上で勝手に水量を管理されては死活問題になるとして深刻。

挟まれているスーダンは上流でダムができることで水位差が8mから2mに改善されるとのことで反対の声はエジプトほど大きくならない。

エチオピア源流はナイル川水量の8割以上を占める規模。

紛争をさける解決に向けた発起点は世界的な「公と私」の確認だと思います。

水と石油は天然資源ですがその経済社会的性格での違いは油は私的(国であろうが民間であろうが土地を持つか掘り当てた者のものとして認識されてきているという意味でのprivate性)であり、また石油は生物に不可欠ではないけれど水は不可欠であることからも公的側面が強い。この公私の観点は次元は違えど水の中にも地下水と表流水(河川)という区分で存在します。

国をまたぐ河川は公的なもの、よって国や民間などの「私的」な目的に依拠してその利用形態を決められるのではなく、各国の法律を超越した世界的に公的な憲法のようなものがあったらどうでしょう。完全な法などというものは存在しえませんが、紛争当事者に対し、世界的合意の認識という軸は持てるかもしれません。

ナイル川の問題は1世紀近く前からあり、その仮定で「ナイル川流域イニシアチブ」ができましたが、目的とおり機能せず、今回の2国間論争では世界銀行が仲介に入ったようです。

日本の皇太子殿下が世界水フォーラムに出席している今、日本はいろいろな意味で潜在力をもっています。

小さいながらも何かできることがあれば水広場は活動を惜しまないことです。

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