つけもの石が乗ってる・・・

日本の清涼飲料市場は5兆円規模、れっきとした産業、しかしその中身を見るとサステイナブルではありません。

直感に訴えると下図のイメージでしょうか。需要線は推測として一般的なもの。Ⓒの領域は消費者余剰、ⓟは生産者余剰。生産者側では低価格生産が固定化し、消費者レベルでは本来支払える金額より安く同じ効用を享受している・・・それは円安が始まる前から諸外国から来た多くの人たちが日本の飲み物の種類の豊かさ、品質の良さ、その安さに驚いている事からもわかるでしょう。

飲料に限らず多くの財・サービスに巨大な消費者余剰が生じている日本、余剰分の効用を加算した経済的指標でみれば世界トップクラスの大国です。

他方でそのツケは生産販売側に来るわけで、低賃金でも消費者としてはモノが安いから何とかやっていけるという縮小均衡。その結果、適齢期の若者達の多くが結婚したくてもできない状態が続いています。


なぜ飲料業界の供給曲線はフラットなのか?

構造要因
・流通チェーンの川下の小売業と川上生産者とのパワーアンバランス。

生産販売側の要因
・(付加価値化という意味合いの)ブランディング能力の不足。これはミネラルウォーターが良い例で、良い水質と汚染の無い採水地確保や経常的な汚染保護と水量水質の安定にかかるコストそして価値が大きい事実を伝える努力を怠り、全ての水が一緒くたにされる中、ただコスト競争に走ってしまう。特に震災特需で参入した異業者や有名輸入水の並行輸入業者が該当するが、それだと低粗利低賃金構造から脱せない。

つけもの石!?

だからグローバルウォーターでは創業以来、水の本当の価値を世の中に訴えてきました。デフレを代表する清涼飲料ですら本来的に「サステイナブル」な産業になれるよう、本当に恥ずかしいぐらいの微力ながら。

少し下がって俯瞰すれば、日本全体に何か重みが被さっていて、それが価格を押し下げているように感じませんか?

つけもの石の正体は高齢少子化に伴う将来不安と既に高すぎる現役への社会保険負担による可処分所得の低さ、違いますか? 将来不安が和らげば飲料業界もアンフェアな廉売から逃れる余地すなわち流通全体て真っ当な粗利が生まれる余地が生まれ、それが給与が上がる必要条件だと思うのです。

少子化対策の一丁目一番地は若者の給料を上げること、違いますか、岸田さん?

そのためには、くれぐれも最低賃金を上げるという安易さに逃げないでください。やっただけ零細が撤退か潰れるだけで何も解決になりませんから。根本治療が今必要なんです、違いますか?

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