新しい資本主義って?

岸田総理のもと、新しい資本主義の有識者会議の初回会合があったようです。

15人という人数と顔ぶれを見るだけでも、事務方の官僚が描くシナリオ通りの総花式の結論が透けて見えます。おそらく何も変わらないのでしょう。
個人的には山梨県の水ブランド戦略会議の13人の有識者のメンバーの一人として参加した時を思い出します。立場の違う面々の意見を取り入れた抽象的な結論に落ち着いた記憶があります。

別件でプラットフォーマー規制に関して内閣官房に呼ばれて議論したこともありましたが、それら実体験から、今の官僚の立場にある方々は国や自治体を良くするというより個人的思惑によるその場しのぎが連続していると思うようになりました。

前から原丈人氏の説く公益資本主義は水広場の経営哲学と重なっており、水広場ではROEに対しSROE(social return on equity)という逆概念もあります。簡単にいえばもともと日本にある三方善しと同義です。

給与を増やすこと、そのためにもまず廉価販売を止めること。皆がそれをすればGDPは増え生産性も一瞬にして向上します。しかしそれは競争を土台とする民間主体の努力だけでは不可能だと思われ、政治家や官僚が存在意義を発揮できるところです。

公益資本主義の実現は金融界の利益に逆行します。人件費増加や仕入先への支払適正化はROEを減らし株式投資家や市場関係者に忌避されます。実際に岸田ショックと言われた現象も起きました。しかし岸田氏は金融界と争ってでも理念実現できる大物には見えません。

従って公益資本主義は絵にかいた餅で終わる可能性が高く、政府に頼っていられません。水広場的にはミクロ単位で実行すること、例えば適正価格で仕入れて適正価格で販売するという当たり前のようだが実行している会社は少ない行動を粛々と進めることです。

10月25日は弊社設立記念日でした。17年、同じ道を歩んできたことに感謝します。

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