水の先物の先にあるもの

CMEで水の先物取引が始まる。

水に大きく左右される農業でリスクヘッジができるなどのメリットが指摘される一方、現物決済が現実的に不可能であるなど実務的な課題も山積している。

その目的であればデリバティブの相対取引がより適していると思いつつ、どっちにしてもこの先物の先にあるものが見えてしまい仕方がない。

実務的課題よりずっと大きな問題をはらんでいることに気付く人がどれだけいるか正直心配だ。

信用リスクを機動的にヘッジできると鳴り物入りで金融界にデビューしたクレジットデリバティブが暴走してリーマンショックの引き金になった。自分自身もクレジットデリバティブの専門家として多数のディールをしたが、大手銀行の自己資本比率かさ上げのウインドウドレッシングなど、本質的な解決ではなかった。

水がかつてのチューリップやどこかの地価のようにならないことを祈りつつも、前段の理由で先物市場で大きく育つことはないと予想する。

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