信州温泉(飲泉)シリーズ 1 

毒沢温泉 信玄が治療に利用させた含鉄酸性の源泉

2010年正月、諏訪湖から和田峠に向かう中山道の山間にある秘湯、毒沢温泉。麓からバリアフリーの宮乃湯、民家風の沢乃湯、高級感ある風情の神乃湯の3軒がひっそりと佇む。今回は一番高いところにある神乃湯を訪ねた。

450年前の永禄年間、武田信玄が金発掘の際に怪我人の治療に利用したと伝えられている毒沢温泉。神乃湯にある鉱泉の沿革を読むとそれは昭和9年に医薬品と見なされ、昭和12年には日本の自然湧出鉱泉中に売薬許可(第16596号)を受け効能の確かさが揺るぎないものになったという。

酸性の含鉄冷泉

鉄分などの成分で浸かった体が見えないほど濃い茶褐色の湯は、もともと特徴ある成分をもつ源泉を加熱している。アルミニウム、鉄、硫酸基の含有量が多く、浴用の効用には神経痛・筋肉痛・慢性消化器病・月経障害・慢性皮膚病などがあり、飲用の効能としては貧血と慢性消化器病によいという。浸かっているうちに肌がつるつるしてくる感じを体験し、浴場に設置されている飲泉口からすくって口にすると含鉄酸性鉱泉独特に酸っぱさが口に広がる。治療用を別としても、健常者が飲用する際は一般の水で十分に薄めて飲むほうが良い。 



フロントではこの鉱泉をペットボトルに詰めたものを販売している。野鳥がさえずる峡谷の冷気の中で、信玄の頃から続く上等なリラクゼーションを堪能できる場所を見つけた。諏訪湖の花火を見る際にも是非また立ち寄りたい。

日帰りの場合一人700円。

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