知られざる世界の名水特集第3回 ボルセック、ルーマニア Borsec, Romania
1803年、不治の病に侵されたウィーン市民バレンティン・ギュンターがボルセックの水を飲んだことをきっかけに彼の病気が治り、この水に魅せられたギュンターは親類であり役人であったアントン・ジメシャウゼンにボルセックの水の取引を薦め、結局1806年に彼らはボルセックの地元自治体から15にものぼる水源をもつボルセックの地を借り受けることでこの水のボトリング製造を開始することになります。その後ボルセックでボトリングされたミネラルウォーターはウィーンを含む欧州中の数々の都市に輸送されていきました。ミネラルウォーターの製造開始にあたってジメシャウゼン達は、オーストリア、バーバリア、ボヘミア、そしてポーランドからガラス職人などをこの地に招き、これら職人の多くはこの地を終の棲家とし現在まで彼らの苗字は子孫に継承されています。
皇帝に「水の女王」と言わしめた水 健康に良いとの評判だけでなく、独特のミネラルバランスなどによりつくられるこの水の豊かな味わいは広く知られるようになり、ボルセックのミネラルウォーターは19世紀後半にウィーン(1873年)、ブダペスト(1885年)、ベルリン(1887年)を含む国際フェアで数々のメダルを受賞することとなります。1873年には時の皇帝フランツ・ヨセフにより「水の女王」の称号を与えられました。近年もその評価は衰えず、直近では2004年に北米バークレー・スプリングス大会でゴールドメダルを受賞しています。現在のボトリング会社であるRomaqua S.A.は、ルーマニアのボトラーで唯一のOMPI (Organisation Mondiale de la Propriete Intelectuelle) のメンバーでもあり、古くからの伝統である製造品質管理を徹底しているようです。 ボルセックには天然発泡と無発泡の2種類があり、それぞれが生命力をもった味わいをもたらしてくれます。成分の主な特徴としては、硬度1100を超える豊富なミネラル成分を含有し、さらに硬度の要素であるカルシウムとマグネシウムの含有比率が約3:1(天然発泡のケース)と理想的なバランスを自然に構成していること、含有鉄分が非常に微量であることなどが挙げられ、これら様々な偶然が重なってはじめてこの上質な味を自然につくりだしているわけです。発泡水の方は安定的な天然発泡性が特徴で、無発泡とあわせて近年上質なテーブルウォーターとしても世界各地で利用されるようになっています。 2005年現在、スウェーデン、スペイン、南アフリカ、ギリシャ、米国などに輸出され、世界のグルメや健康志向の高い消費者に愛飲されているのがBorsecです。
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