信州温泉(飲泉)シリーズ 2

地蔵温泉 十福の湯(じっぷくのゆ) 峠の地下深くから湧き出る高アルカリのお湯

ラグビーとスキーで知られる菅平高原にも近い地蔵峠の山腹にある「十福(じっぷく)の湯」の源泉は地下1,200メートル、そこから毎日500トンにのぼる湯量が湧出している。2010年正月に初めてその源泉を訪れた。

pH9.4という高アルカリ性の源泉の温度は38.1度、それを若干加温し、信州でも最大規模といえる露天風呂と内湯の両方で使われる。アルカリ性単純泉の泉質は無色透明で微かに硫黄臭がある。浸かっていると鼻のとおりがよくなり、口に含んでみたがクセは少なく問題なく飲めた(館内に飲泉施設は無い)。



施設入り口の両脇に冷泉と温泉それぞれの源泉が湧き出ており、飲用ではないと書かれているが両方とも問題なく飲める。高アルカリでミネラルの構成バランスも良く、抗酸化作用が期待でき、温泉は微かに硫黄の香りを覚えるものの(別所温泉で育った小職にはその卵っぽい香りが逆に好ましい)、浴用だけでなく飲用でもカラダに嬉しい源泉と思われる。



日帰り専門の温泉施設で家族連れが多く、暖炉付きの休憩所、パン焼き直売店やレストランも充実した館内は楽しい雰囲気で包まれている。冬は雪景色、夏は野草植物で楽しめる特別な環境にあり、600円はとても割安。

信州温泉(飲泉)シリーズ 1 

毒沢温泉 信玄が治療に利用させた含鉄酸性の源泉

2010年正月、諏訪湖から和田峠に向かう中山道の山間にある秘湯、毒沢温泉。麓からバリアフリーの宮乃湯、民家風の沢乃湯、高級感ある風情の神乃湯の3軒がひっそりと佇む。今回は一番高いところにある神乃湯を訪ねた。

450年前の永禄年間、武田信玄が金発掘の際に怪我人の治療に利用したと伝えられている毒沢温泉。神乃湯にある鉱泉の沿革を読むとそれは昭和9年に医薬品と見なされ、昭和12年には日本の自然湧出鉱泉中に売薬許可(第16596号)を受け効能の確かさが揺るぎないものになったという。

酸性の含鉄冷泉

鉄分などの成分で浸かった体が見えないほど濃い茶褐色の湯は、もともと特徴ある成分をもつ源泉を加熱している。アルミニウム、鉄、硫酸基の含有量が多く、浴用の効用には神経痛・筋肉痛・慢性消化器病・月経障害・慢性皮膚病などがあり、飲用の効能としては貧血と慢性消化器病によいという。浸かっているうちに肌がつるつるしてくる感じを体験し、浴場に設置されている飲泉口からすくって口にすると含鉄酸性鉱泉独特に酸っぱさが口に広がる。治療用を別としても、健常者が飲用する際は一般の水で十分に薄めて飲むほうが良い。 



フロントではこの鉱泉をペットボトルに詰めたものを販売している。野鳥がさえずる峡谷の冷気の中で、信玄の頃から続く上等なリラクゼーションを堪能できる場所を見つけた。諏訪湖の花火を見る際にも是非また立ち寄りたい。

日帰りの場合一人700円。

大分県の名水シリーズ4

男池湧水群(おいけゆうすいぐん)

九重連山の黒岳にある湧水池。静かに力強く池底から湧き出る水は川をつくり、ブナやナナカマドの原生林に囲まれた山腹に流れ出し、大分川の支流である阿蘇野川に注ぐ。

 

今回の訪問時(2009年12月)には取水客はおらず、静けさの中にひっそりと佇む原生林と水を独占してしまった。水を汲むのもいいが、どちらかというとその優雅な原生の空気を楽しむ価値が高いようにも感じる。

 

大分県の名水シリーズ3

白水鉱泉(しらみずこうせん)




庄内町阿蘇野には天然炭酸水が湧くスポットがいくつもあるが、その中でも最大級の有水量をもつ白水鉱泉。湧出時の温度が8℃という冷泉で、活力ある天然の炭酸を含む湧水が蛇口からあふれだす。実は大正5年から歴史のある名水で、飲用の認可をうけて当時の海軍などに供給されていたという。

 

カルシウムとマグネシウムのバランスがよく、遊離炭酸を620mg/L含む成分構成は日本の天然水としては貴重といえる特性を持っている。蛇口から流れるその天然炭酸水は美味の一言であった。




 

 



大分県の名水シリーズ2

岩井高地地下深層水




竹田から同じく名水百選である男池(おいけ)湧水群に行く途中の阿蘇くじゅう国立公園地域の庄内町は天然炭酸水の宝庫。その中のひとつである岩井高地地下深層水は、深い岩盤下が水源の鉱泉水。

 

蛇口から勢い良く流れ出した天然水を口に含むと、ほのかな炭酸が入っているのが分かる。成分としては陽ミネラルイオン豊富で硬度は160といい、中性の水だ。日本では稀なる特徴ある水といえる。


 

大分県の名水シリーズ1

竹田湧水群


水の良い大分県の中でも有名な竹田湧水群。滝廉太郎の楽曲で知られる岡城跡が望む城下町の一角にある湧水群から、きれいな水が湧き続けている。

 

代表的な泉水湧水と河宇田湧水はそれぞれ近隣に位置し、両方とも取水に来る人たちが絶えない。泉水湧水に汲みに着ていたご夫婦に伺うと主に毎日の飲用に使うとのこと、菌の心配は無く長期間放っておいても安心して飲めるという。河宇田湧水でははるばる宮崎から軽トラック一杯のポリタンクで汲みに来ていたご家族も。2時間以上かかっても2週間に一度は必ず飲料水として採水に来られるという。


熊本県の名水シリーズ3

菊池渓谷 


菊池川上流の源流一帯は菊池渓谷と呼ばれ、水源から湧き出た澄みきった清水が広葉樹の原生林に守られ流れ落ちている。

 

歩道もある川沿いを歩き、1kmもあろうかと続く渓谷美の世界は入り組んで複雑で見る人を決して飽きさせず、透明感が包む冷気とざあざあと流れる水音にも変化があり、大自然による一級のエンターテイニングな世界を味わうことができる。




熊本県の名水シリーズ2

池山水源系スポット


大分県境に近い位置にある産山村(うぶやまむら)には良質な湧水スポットが複数ある。池山水源はその代表で、取水に来る人たちが途切れることが無いかのように次々と訪れる。

その池山水源自体は名水百選でもあり既に広く紹介されていることから、今回【水広場】的には、池山水源の周辺にある隠された湧水スポットを紹介する。

その湧水の取水場は山間の比較的平地なところにあり、取水に訪れるにはぴったりの環境。この日は久留米から来られた方もあり、話を聞くと、お茶を入れるのにとてもよい水なのだそう。他の方は炊飯にとてもよいと勧める。有害な菌類が無いのか、生水(きすい)のままでも何ヶ月ももち、半年後に飲料水としてそのまま飲んでも美味しく頂けたとのこと。

 

湧きたての新鮮な池山の水を口に含むと、冷たいながらもほのかにミネラル感が伝わる味わい。

熊本県の名水シリーズ1

白川水源



市町村合併で2005年に南阿蘇村になる前は【白水村】と呼ばれ広く知られてきた名水の里にある有名な湧水池で、熊本県を流れ有明海に注ぐ一級河川「白川」の水源がここだ。池の底から勢いよく湧き出す天然水の量は毎分60トンといわれ、その圧巻な大地力を間近に感じられるこの場所は神々しくもあり、脇に佇む白川吉見神社と一体となり自然で厳かな清涼感あふれる空気が漂っている。

 

売店で空ペットボトルを購入し、湧きたて新鮮な白川水源の水をすくって口に含むと、軟らかく優しい天然水の風味に潤される。そこでしか感じられない味というものを実感する次第。年間降水量が3,000mmを越えるという多雨の阿蘇五岳に降り注いだ雨雪が、日本の地質百選にも選ばれた稀有な阿蘇の地下層でゆっくり磨かれ、適度にミネラルを吸収し、晴れてこの池の底から湧き出る。その湧きたてホヤホヤの白川水源の原水は一味も二味も違い、それを知る人たちが熊本県内外からポリタンク持参で集まってくる。強制はされないが取水に訪れる人たちは1回100円を支払い、それは水源維持に使われる。


 

石川県の名水シリーズ4

古和秀水 (こわしょうど) 石川県輪島市門前町 【昭和の名水百選】

清々しさを感じる水場

輪島市街地から国道249号線を30分ほどで高尾山に到着、急峻でくねりの多い高尾山の狭い山道を登っていくと、澄み切った空気と野鳥のさえずりに包まれた静かな広場に辿り着く。

正面から連峰を一望できる高さであり、澄み切った冷気が心地よい。

町営の森林学習ハウスや親水公園を望む場所にひっそりと佇むのが古和秀水。

この湧水は名水として古くから知られ、もともとは総持寺の開祖の瑩山禅師が竜神から寄進されたと伝わる。

飲用の水場ではこの霊水をじっくり堪能できる。静寂の中、こんこんと湧き出る水の姿からは人間世界から一定の距離を保つかのような清々しさ(すがすがしさ)を感じる。すくって口に含めばスぅ~と体内に浸みこむ美味しい水であることが分かる。