パイパーダイアグラムとは?


パイパー・ダイアグラム(Piper Diagram)とは、地化学的な水質区分の手法の一つで、世界中で水質・地質の調査目的などで利用されています。 地質学的な観点から地下水や河川水などが主に分析対象とされます。 2つの三角形と1つの菱形で構成され、「トリリニア・ダイアグラム(Trilinear Diagram)」とも呼ばれ、シュティフ・ダイアグラム(Stiff Diagram)などと並んで普及している手法です。

パイパー・ダイアグラムの特徴では、チャート上に対象の水がプロットされることで視覚的にその水の分類を見てとれます。 複数の異なった水を同一チャート上に散布することにより、それらの地質的特徴との関連付けに役立ちます。

具体的には、地下水や温泉水に含まれる下記の主要溶存イオンを4グループに分け、陽イオン・陰イオンそれぞれの当量(mEq)の総和が100%となるよう、プロットされ、ひし形チャート上で4又は5分類されます。 量的な構造を表示することは出来ません。

陽イオン (cation) 陰イオン (anion)
カルシウムイオン(Ca2+) 炭酸水素イオン(HCO3-)
マグネシウムイオン(Mg2+) 塩素イオン(Cl-)
ナトリウムイオン(Na+) 硫酸イオン(SO42-)
カリウムイオン(K+)  

水質分類例

I
非重炭酸カルシウム型
(熱水・化石水起源型)
温泉水や化石水などに見られるタイプ
II
重炭酸カルシウム型(地下水起源型)
循環性地下水の多くがこのタイプ。
日本の一般的地下水の多くが属する
III
重炭酸ナトリウム(停滞地下水起源型)
停滞環境地下水によく見られる
IV
非重炭酸ナトリウム型(海水起源型)
海水や海水が混入した地下水などが属する
V
中間型
河川水、伏流水、循環性地下水等がよく示す型


当サイトで掲載されたミネラルウォーターについては、上記7種類のイオン当量に関するデータが入手可能な水についてそれぞれのパイパー・ダイアグラムを見ることができます。 
当ダイアグラムはあくまで個別またはサンプルグループのミネラルウォーターに関する水質分類の参考の一つであり、それぞれのミネラルウォーターの「味」や「健康への効果」などの参考・指標には適しません。 また、当サイトにおける各ダイアグラムは入手可能なデータに基づき株式会社グローバルウォーターが一般的な簡便方法で算出したものであり、そのデータ及び分析結果についてはその正確性を保証するものではありません。  

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