シャテルドン/Chateldon

ルイ14世は、リヨン西方に位置する水源地であるオーヴェルニュ地方からベルサイユまで定期的にこの水を運ばせたという。瓶ないし樽に詰められたであろうシャテルドンを積んだ馬車がパリへ向かう姿は想像して楽しい。太陽王から更に1700年遡り、当時カエサルと互角に戦ったガリアの英雄ウェルキンゲトリクスもオーベルニュ生まれというから、同じ原水を飲みこちらは英気を養った可能性へと想像は膨らむ。尚、オーヴェルニュはかなり水に恵まれた地域といえ、タイプは全く違うが、ボルヴィックの水源地も100キロ圏内だ。

硬度1100を超える重厚度に満ちた硬水。
重炭酸塩の含有量は2000mg/lを超え、この水のしっかりとした質感を説明する。

採水量が非常に限られており、フランスでも一般家庭で見ることは稀だ。

成分云々の次元を超えた世界的歴史背景の中で、権威あふれるストーリー性を備えた、その圧倒的な存在感がこの水の一番の特性だ。高級フランス料理の席で、当時の王侯貴族のキュジーヌ体験を可能にする1本。